イレーヌ・シャーラー

2021年05月16日 22:00

本日はイギリスのピアニスト、イレーヌ・シャーラーの演奏をどうぞ。

〜F.メンデルスゾーン〜
無言歌集より「紡ぎ歌」Op.67-4

イレーヌ・シャーラー(Pf)

シャーラーは、王立音楽アカデミーにおいてトバイアス・マティ(マッセイ)に学びました。  マイラ・ヘスもその一人です。
とても美しい音で、糸紡ぎ機を巧みに操って紡ぐ様子が浮かびますね。このように弾くには、上方向の柔軟な動きや回転動力によってスピードに乗るといいますか、そのような動きを支える確かな身体のテクニックがないと難しいです。   
でも、この曲をそのような方向で探りながら練習していくと、メンデルスゾーンの魅力に気付き、美しさを感じることができます。     「夏の夜の夢」の序曲を聴くとさらに面白いと思います♪

コンラート・ハンゼンはトバイアスマティについて、タッチの在り方を非常に明瞭に誤解の余地なく示した最初の人だ、と語っています。
マティは20世紀前半、ピアノの演奏において、重量とリラクゼーション(上手く解くことと支えることの身体バランス)によりコントロールされたタッチに最も重きをおいた指導で国際的に有名なピアノ教師です。

トバイアス・マティを記念したピアノコンクールが今年から開催されます。予選はWeb審査(本選はWeb or 会場いずれか選択)となっており、演奏曲の指定はより自由度の高いものとなっています。                  昨今のコンクールなどでよく見かける、表面的にアピールするような演奏者の魅せる(⁈)態度とは全く違い、演奏者の素直な音を求めるコンクールであるのがひとつの特徴かと思います。
ご参照下さい。
www.matthay-piano-competition.org

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