今回は、ドイツのソプラノ歌手、エルナ・ベルガーの歌声を♪
20世紀前半から半ばにかけて、ドレスデン国立歌劇場、ベルリン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場などで活躍し、モーツァルトやヴェルディ、プッチーニなどの数々のオペラアリアや、ドイツ歌曲などの録音が残っています。来日もしていて、今回はその際に録音したものです。
コロラトゥーラを得意とすることに加え、伸びやかで豊かな、気品のある大変美しい歌手です。
重松先生から聴かせていただいた最初の歌手で、感激し、それ以来自分でも何枚かCDを集めました。
〜F.メンデルスゾーン〜
「6つの歌」より
歌の翼に Op.34-2
詩 ハイネ
歌の翼に愛しき君を乗せて
ガンジスの野辺へと君を運ぼう
そこは白く輝く美しい場所
そこは赤い花が咲き誇る庭
静寂の中 月は輝き
スイレンの花 愛する乙女を待つ
スミレは微笑み 星空を見上げ
バラが耳元でささやく 芳しきおとぎ話
賢くおとなしい小鹿
走り寄り 耳をそば立てる
遠くに聞こえる 聖なる川の流れ
僕等は椰子の木の元に降り立ち
愛と平穏を満喫し
幸福に満ちた夢を見よう
「6つの歌曲」より
新しき恋 Op.19a-4
詩 ハイネ
月の輝く森の中
ぼくは妖精が馬を駆けるのを見たのだ
その角笛の鳴るのを聞いた
その鈴が鳴るのを聞いた
彼らの白い馬たちは
金色の鹿の角を生やし飛び去っていった
あっという間にまるで野生の白鳥が
空を滑っていくみたいに
微笑みながら僕にうなずきかけたその女王
微笑んでいた 馬を通り過ぎるときに
僕の新しき恋の前触れか
それともこれは死の前触れなのか
マンフリート・グルリット(ピアノ)
1952年 東京